日本膵・胆管合流異常研究会

会則・規則

先天性胆道拡張症の診断基準 2015

  膵・胆管合流異常の診療ガイドラインが、日本膵・胆管合流異常研究会と日本胆道学会から2012年に作成され、さらに膵・胆管合流異常の診断基準2013がその翌年に作成された。
そのなかで、膵・胆管合流異常を有し、胆管に拡張を認める例を先天性胆道拡張症とした。そこで、先天性胆道拡張症の診断基準2015においては、いわゆる狭義の先天性胆道拡張症の診断基準を明らかにした。

日本膵・胆管合流異常研究会
日本膵・胆管合流異常研究会診断基準検討委員会
委員長 濵田 吉則
顧 問 安藤 久實
委 員 神澤 輝実、糸井 隆夫、漆原 直人、越永 従道、齋藤 武
    藤井 秀樹、諸冨 嘉樹

定義

  先天性胆道拡張症(congenital biliary dilatation)とは、総胆管を含む肝外胆管が限局性に拡張する先天性の形成異常で、膵・胆管合流異常を合併するものをいう。ただし、肝内胆管の拡張を伴う例もある。

病態

  胆管拡張と膵・胆管合流異常により、胆汁と膵液の流出障害や相互逆流、胆道癌など肝、胆道および膵に様々な病態を引き起こす。

診断基準

  先天性胆道拡張症の診断は、胆管拡張と膵・胆管合流異常の両者が画像または解剖学的に証明された場合になされる。ただし、結石、癌などによる胆道閉塞に起因する後天性、二次的な胆道拡張は除外する。

1.胆管拡張の診断

1)胆管径
胆管径は、超音波検査、MRCP, CT ( MD-CTのMPR像ほか)などの胆道に圧のかからない検査によって、総胆管の最も拡張した部位の内径を測定する。
胆管径は、年齢により変化するので、超音波検査による年齢別の胆管径の上限値(表1)を参考にする。
2)拡張部位
胆管拡張は、総胆管を含むものとする。また、総胆管を含む肝外胆管の拡張と同時に肝内胆管が拡張している例も、先天性胆道拡張症に含める。
3)拡張形態
拡張形態は、嚢胞型と円筒(紡錘)型の2つに分けられる。
狭義の先天性胆道拡張症は、戸谷分類(図1)のⅠa型, Ⅰc型, IV-A型で表現される。

2.膵・胆管合流異常の診断

膵・胆管合流異常の診断は、先天性胆道拡張症の診断に必須であり、膵・胆管合流異常の診断基準2013に準拠してなされる。
表1.胆管拡張の年齢別参考値
年齢 基準値 上限値 拡張の診断
0歳 1.5mm 3.0mm 3.1 mm以上
1歳 1.7mm 3.2mm 3.3 mm以上
2歳 1.9mm 3.3mm 3.4 mm以上
3歳 2.1mm 3.5mm 3.6 mm以上
4歳 2.3mm 3.7mm 3.8 mm以上
5歳 2.4mm 3.9mm 4.0 mm以上
6歳 2.5mm 4.0mm 4.1 mm以上
7歳 2.7mm 4.2mm 4.3 mm以上
8歳 2.9mm 4.3mm 4.4 mm以上
9歳 3.1mm 4.4mm 4.5 mm以上
10歳 3.2mm 4.5mm 4.6 mm以上
11歳 3.3mm 4.6mm 4.7 mm以上
12歳 3.4mm 4.7mm 4.8 mm以上
13歳 3.5mm 4.8mm 4.9 mm以上
14歳 3.6mm 4.9mm 5.0 mm以上
15歳 3.7mm 5.0mm  5.1 mm以上
16歳 3.7mm 5.1mm 5.2 mm以上
17歳 3.7mm 5.2mm 5.3 mm以上
18歳 3.8mm 5.3mm 5.4 mm以上
19歳 3.8mm 5.4mm 5.5 mm以上
20歳代 3.9mm 5.9mm 6.0 mm以上
30歳代 3.9mm 6.3mm 6.4 mm以上
40歳代 4.3mm 6.7mm 6.8 mm以上
50歳代 4.6mm 7.2mm 7.3 mm以上
60歳代 4.9mm 7.7mm 7.8 mm以上
70歳代以上 5.3mm 8.5mm 8.6 mm以上
図1.戸谷分類(1995年改変)
図:戸谷分類(1995年改変)

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